2003年5月、亡くなる3年前。曽我町子はひとりのファンと向き合い、ヘドリアン、バンドーラ、そして『ジュウレンジャー』の現場でメイクを落とした日について語った。Kyoudai Expressが全文を掲載する。
曽我町子は1938年3月18日、東京都八王子に生まれ、声の仕事からテレビの世界に入った。1965年、最初のアニメ版『オバケのQ太郎』のQ太郎役で視聴率40%台の大ヒットを経験する。街でオバQと呼ばれるのが嫌になり、1970年代初めに仕事を離れてイタリア、シリア、アフガニスタンを3年近く旅し、自分を変えると決めて帰国した。その変身は悪役の女たちによってもたらされた。
最初は『レインボーマン』(1972年)の魔女ゴッドイグアナだった。『5年3組魔法組』(1976年)の魔女ベルバラで東映を納得させ、1980年、『電子戦隊デンジマン』のヘドリアン女王から12年にわたる悪の女王の系譜が始まる。『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)で甦った同じヘドリアン、『時空戦士スピルバン』(1986年)の女王パンドラ、そして『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992年)の魔女バンドーラ。バンドーラの映像は『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』のリタ・レパルサとして世界中で流れた。作品と作品の間には国立市のアンティークショップ「ステラ」に立ち、ファンを迎えた。2005年、『魔法戦隊マジレンジャー』の劇場版で天空大聖者マジエルを演じ、東映作品に最後の出演を果たす。2006年5月7日、68歳で死去した。
以下のインタビューは2003年、スーパー戦隊のファンサイト「HERO BOX」のゆきんこさんによって行われたものである。Kyoudai Expressはこの貴重な対談を掘り起こし、全文を掲載する。作品ごとの3つのブロックで、曽我は自前で揃えた衣装、『デンジマン』のメジャーのシーン、自分でも忘れていた『サンバルカン』の変装、台詞が一行しかなかった『ジュウレンジャー』の台本、そして逆さに読む呪文をめぐってメイクを落とし降板を口にした午後を語っている。
01最初の女王
では、作品順に『デンジマン』から。他でも聞かれてるとは思うんですけど、女王役を演るキッカケから教えて頂きたいんですけれども・・・。
女王役のキッカケっていうのは、『(愛の戦士)レインボーマン』の魔女イグアナ役だった塩沢ときさんが、老婆に変身する猛烈な皺作りに閉口したとの理由で話が私に来たんです。で、その時に初めて特撮番組の悪役を演ることになったの。初めてって言うと(ファンの)みんながね、「違うよ、曽我さんの場合は、『河童の三平』があるじゃないか」とか言ってくれるんだけどね。あの時はもう、なんか知らないけど面白そうだから演っただけ。あんまりそういうものだけを演ろうというつもりはなくて、ただ役者は何でも演るっていうことが、すごい面白いっていうので演っただけ。「女王だ魔女だっていったら曽我町子だ」っていう線は作ろうなんては思っていなかったの。塩沢ときさんが降りて、「あっ、こういうのも演ってみても面白いんじゃないかなぁ〜」っていうので、始めたのが魔女ゴッドイグアナだから。「それに入るのに、どういう作り方をしたらそういう世界に入れるのかしら・・・」って真剣に考えたわね。当時舞台をよく演ってたから、舞台のあの場面、シェイクスピアの古典みたいに演れば朗々とできるし。だからワルであるとか、あぁいう番組っていうのは、普通のドラマと違うんだから、もうオーバーっていうか、舞台を踏むみたいな台詞まわしとアクションが必要な訳ね。ゴッドイグアナは「“死ね死ね団”というネーミングが面白そうだな〜」って(現場へ)入ったんだけど、演技があまりあたしは気に入らなかった。でも自分のとこだけでもしっかり演ろうということで、頑張ったけどね。で、思うところがあって(中近東諸国への長期の)旅に出て、帰ってきた時に、「何か、一つあたし、ここで変身しなくちゃ!」と思って、その最初がまず“魔女”からだったの。それが『5年3組魔法組』です。で、魔女を演ったら、もう最高に面白い訳!「これがあたしの世界だわ!」って。そして、東映さんも番組を始めてから終わりまで(視聴率が)2ケタだったから、「『5年3組〜』続けたいなぁ〜」って、おもちゃ屋さん(スポンサー)に交渉したら、「いやぁ勘弁してくれ、新しい玩具を売りたいから違う番組にしてくれ」って言われたそうで。「じゃあ違うかたちでやろう」っていう風なことが決まってたらしいのね。それである日、『デンジマン』の企画書見せてもらったの。それには、あたしが演ろうと思ってた魔女や女王のイメージがどんどん膨らみそうなところがいっぱいあった訳。「演れそうだぞ!」って。「よし、じゃぁあたしもいろんなこと考えよう、一緒になって考えよう!」って。だから、(へドリアン女王の)デザイン画が来た時に、「ここの所がちょっと・・・耳が出てたらばサマ(様)にならないから」って、自前で作っちゃう訳。ああいうものは、舞台もそうなんだけど、着物なんか借りるでしょ?だけど、女なんていったら、デブに見せた方がいい時には、そういうもの(衣装や備品)をたくさん用意するの。だからそういう癖があるから、あたしね、もう今だったら(その分を)ちゃんと払ってもらったらよかった。自前が多いんです結構、部品は(笑)。
そうですよね、靴とか自前が多かったって書かれてましたよね。
あたし、あんまりそんなことでケチってると、なんかみみっちい感じがするの。もう周りをわーっとさせるには、こういう風なとこで、お金に糸目をつけない。指図があったものは衣装部さんで用意する訳でしょ。指図がないものは、自分でやっぱり用意するっていうのが当たり前と思ってたから。「ここ、つけ爪」とか言ったら、もうすぐにお店へ見に行って、取れちゃった場合のためにいくつも買っちゃう訳、同じようなのを。それで、ラメのピカピカをバン!と、まとめて買っちゃう訳。
02自前の衣装
その点では『サンバルカン』のヘドリアン女王の方が、たぶん衣装とか結構いろんな変装とかしてるんで着られてますよね。
もう、変装して例えば街のなか歩くとか、そういう場合は全部自前よ。
そうなんですか。
こういうのはちょっと作ってあるものだから。例えば、普通の女秘書に変装して、そこ歩いてるっていう時に、ピッタリくるのなんて無いのよ。ダサイのよ、悪いけど。東映で衣装合わせなんていうと、んん・・・って、一応着るの。で、「あたし、こういうの雰囲気でいきたいと思う」って言って、もうパパっと、デッサンしてね。自分の持ってる服装、ここは何色、こうこうこうこうって書いて、「これどう思う?」って言ったら、「あっ、曽我さんそれでお願いします」ってなっちゃうから、結局ね。
それで全部自前なんですね?
嬉しいし、普通の格好よりもね。
普通だと、ちょっとつまらないですもんね。
ないっていうか・・・、つまり、あの〜普通の人がそれやると制約があり過ぎて、怖くてできない。だけど、あたし反対なの。制約がないのよ。普通の人はさ、そんな格好して、例えば大見得きるってできないでしょ?普通ドラマ演ってた人がさ、ダァーーなんてさ、できない訳でしょ?そういうのって面白いじゃない?みんなが出来ないことをする。その代わり、そりゃぁ舞台の上では普通が出来るんだけど、もうその楽しさっていうのは、『ピンクパンサー』の悪い役の、ああいう“クレイジー”に通ずるものなの。もうなんていうの、「ひっちゃかめっちゃか」なのが好きなのよ。だけど、女王となるとそこにちょっと気品も必要だし・・・。
03人間くささのある女王
そうですね。最初の『デンジマン』のヘドリアン女王はそうですよね。
そうなの。悪役のボスだから、あまりひっちゃかめっちゃか、ギャーギャー演るのもダメなの。あたしが言う「ひっちゃかめっちゃか」っていうのはさ、きちんとしてて、もうそれでポカやったりすると、それが喜劇なのよ。だけど喜劇をやろうと思ったんじゃないの。だから女王で演るんだけど、やっぱりその中には、人間くささが・・・分かる?
そうですね、ちゃんと女性らしさも出てましたよね。
やっぱり出さないと。ただね、機械的に例えばよくすぐに、ロボット的なものがくると、ロボットのように「ワ・タ・シ・ハ・・・」よくそういうのをパッとイメージしちゃうんだけど、それで演ると見ちゃいられないでしょ、時間ばっかりくって。だから普通にしゃべってるんだけど、女王は女王であるし、だけど何か可笑しいとか、ね。
ちゃんと出てたと思います。
要するにね、「いろんな面が、ドカーっと好き勝手に出せるな〜」って。観る人の気持ちで如何様にも解釈できる演技をしたかったの。
たしかに、いろんな感じ方をした人がいると思います。たぶん、怖いと思った人もいるし、女らしくてカワイイと思った人もいると思います。
なんか、おっちょこちょいだと思った人もいるだろうし、だからそういったものが、何て言うのかな、ああいう戦隊物ですごく好きなのは、自由自在にできる面白さ!
特に悪役の方のほうが、自由にできる感じがありますよね。
そう、自由にできる!二枚目で演るのは、やっぱり(ビジュアル的に)二枚目じゃなくちゃいけないし。その中で、ズッコケても演技が伴わないと、ヘタにズッコケると、もうそれこそイヤらしいじゃない?だけど、あたし達の方はさ、伸び伸びできる訳。だからね、「これは、やめられない!」って感じでね。で、あたし、ずっとこういうものが続くとは思わなくても、「続けたいな・・・」という気持ちは、心のどっかにある訳。『オバQ』で当たった後だけに、もう今度は魔女、女王でバチッ!といきたい気持ちはあったんだけど、それを顔に出しちゃいけないのよね。それは、みんなが感じて、まずみんながそういうのがいいと思ってくれなくちゃいけないのと、東映あたりのそういう制作サイドが、「あっ、曽我さん使おう!」っていう風になってくれなくちゃいけない。あたしからは一切言っちゃいけない。どう表現するか、どう自由にね、楽しんで仕事をするか、もう今を楽しくして、で、認められれば結構なことじゃない?おまけで喜ぼうと思った訳(笑)。
楽しい感じは伝わってました。今観ても、楽しそうに演じられてるなと思います。
だから、まず最初のヘドリアン女王は、そういう訳で、最初の女王だったじゃない?
そうですね。
それまでは、ゴッドイグアナにしても女王じゃないし、魔女っぽいでしょ。で、『5年3組〜』入って魔女でしょ。じゃなきゃ化け物みたいなのも演ったでしょ、『河童の三平』ではね。女王だから、女王らしさも必要だし、だから世界中旅して、女王の宝物も見て、お城なんかで優雅な雰囲気の生活も一寸味わったし、空気もいっぱい吸った。それに世界の女王の本も読んでましたので、マーOKなのね。だけど本当は難しいんです、女王なんて言ったら。できないんです、普通。だって、もう女王が出来る人っていうのは、なんかもうモデル的体形で、スッとしてね。その代わりズッコケられないのね、演技ができないんだから。パッと見た目で女王の人は、いっぱいいる訳。
立ってるだけだったらですね。
立ってるだけだったら、女王だな、っていう人はいる訳。だけど、仕事の楽しさはね、それじゃ面白くも無い訳よ(笑)。魔女、女王を続けて、回が重なるごとに楽しむことばっかり考えてたの。どうやったらみんなと楽しく仕事ができるか。だからあたし、上の人とは仲良くしようなんて思わないし、プロデューサーにはね、ゴマなんてすった試しがない。それよりも、あの照明さんとか、もう周りとガッチリ団結してね。だから演技がヘタな人には、あたし、すごい怖い人だと思われたかもしれないけど、夢中になるから、「あなたこう演るといいよ」とか言って。「ちょっと他人のことはいいじゃない」と言われちゃうかもしれないけど・・・。特にベーダー一族は、ピッと、まとまんないと。ひとりだけ上手く演ったって、これはね、ちっとも上手いに入んない訳。団結なんです、バチッとしたさ。で、こっちが命令したら、ピシッと動かないとさ、もうピッとね。最初のピリさがないと、味も素っ気もなくなっちゃうわけ。だから、上の話から部下の話になっちゃったけども、あの、あんまりしゃべっちゃうと、みんな同じことになっちゃうからこのへんでやめとく(笑)。
04氷の中から甦ったヘドリアン
そのままヘドリアン女王が続けて『サンバルカン』に・・・。
へドリアンをもう1回使おうっていうのは、あたしも途中で聞いたんだよね。で、もう次には、旅行するつもりでいたんだよ、『デンジマン』が終わって、「さぁ遠くへ行こう」なんて。そしたら、あれ聞いたのは冬に撮影ももう終わる頃かな。
『デンジマン』が終わる頃?
『デンジマン』の撮影があと何本ぐらいっていう時、「曽我さん、ちょっとこういう風な感じだけど」って・・・。あたしとしては、「できない」とは絶対言えないよね、旅なんて言えないし。「ん、ヘドリアン女王で?」『サンバルカン』でも最初からこのままの衣装で出るのかと思った訳。
それは難しいですよね。
「このままで出るんだったら、今の気持ちを大事にしていくけど、今度周りが違っちゃうんだから、どういうことなのかな?」って。で、どういう風なデザインなのか、ま、企画書ももう始まるときだから、バッチリ絵も考えてるだろうから、「とにかくまずそういう資料見せて」って。こっちは今の『デンジマン』の方で夢中だから、『サンバルカン』のあれは、まずすぐにどうのじゃなく、「絵からちょっと説明して」って言ったら、「氷の中から復活して、人工心臓を得て・・・」どうのこうのって。「ああっ、まったく違ってくるんだ」って、名前はへドリアンだけどね。だったら、大丈夫だって。
(『サンバルカン』時のヘドリアンの)デザイン画を見た時は、じゃぁ全然・・・。
デザインは見た目に判らないところで直す必要があったの。
だいぶ違ったんですか?
いえいえそんなに違いはないですよ。私の方で手を加え過ぎたら、デザイン画の人に失礼じゃない?
そうですよね・・・。
そういう切羽詰った時には、あたし、それは生かしてもっと早い段階だったら、「ここ直してっ!」とかいろいろ言えるけど、もう衣装が出来上がっている時には、小道具は自分のもの使うの。
それで私物が多くなってきたんですね。
多くなっちゃったの。最初からだったら、私物なんて絶対使わないです。
たしかに『サンバルカン』での最初のヘドリアン女王の登場シーンは、印象的ですよね。ホントに急に変わるんですよね、一瞬で。
そう、氷の中からね〜。
目が覚める瞬間に変わってるんですよね。
で、あぁって感じるんだよね、『心臓』・・・。
見た目的には、頭が異常に大きいですよね。
あれは“マルコメ”って言われたの、子供たちに(笑)。
あれは重くはないんですか?
私の場合は、重い、軽いとかそういう問題は通り過ぎちゃって、もう夏は、ズルってずれてくるし、冬は寒いし、どの衣装もみんなそうなんです。大変なんです。でみんなね、あの若い子(ゼロガールズ役の女優さん達)なんて、本番前まで全然つけないで演ってるのね。あたしはピチッとつけたまま。重かろうと。撮影で、照明を映した時に、みんな平気で取っちゃうけど、その影とかいろいろ考えないのね。
そうですね、リハーサルで外して、本番でつけ直しちゃうと・・・たしかに感覚が変わりますよね。
もうそんな恐ろしい手抜きはできない訳。だけどみんなね、「なんか初めてこういうの演るんです」って言うけど、意外とそういうところが“なぁなぁ”なのね。でも、そういうことは一切あたし言わない。「あなた、ちゃんと着けなさい」っては、そういうことは余計なことなの。演技がヘタなときは、「ちゃんと演んなさい」ってやるの。で、そうやって手抜くと、あとでしっぺ返しは本人にくるんだから。自分で気がつかなくちゃいけない。そうすると、本番なったら変な影があって、「あれっ?」ってなってさ、撮影の人が怒る訳よ、最初からちゃんと着けてくれって。それで、「ハイ!」って、やるわけ。だから1回恥かかなくちゃダメなの、そういうのは。で、「そうやって手抜いちゃいけないんだな」って、気づくの。キビシイんです。

05忘れていた変装
『サンバルカン』でのヘドリアン女王は、結構いろいろ変装されてますよね。
覚えてないんだよ、あんまり(苦笑)。そんなこと言われても困るんです(笑)。
ホントですか。最近私が見直してみたのでは、レオタード着て踊ったり・・・。
あぁー、レオタードで踊ってたのは違うやつ(『宇宙刑事ギャバン』)よ、確かね・・・。
『サンバルカン』でも踊ってるんです。
(驚)あぁ、あるんですか?!
あのですね、カルメンとか着物で日舞のような踊りもあるんです。
(大驚)えぇー、そんなの忘れちゃった(笑)ホント?!日舞踊るの?
はい。
踊りやってたからね、いろいろ。
宝を探すのに、先祖の気をひこうとヘドリアン女王が、その男の人を誘うのにいろいろ・・・。
やだやだ、おかしいね、笑っちゃうね(笑)。聞いただけで可笑しくなっちゃう。えぇー、あたし少しは何か変装とかするなんて思ったけど。
先日は、カミナリ様っぽい衣装も・・・。
あぁー、何だかそれは覚えてる(大爆笑)。なんとなく、カミナリのパンツはいて・・・あたし恥ずかしかったの、衣装合わせの時に、あのカミナリパンツがね。
すごい印象的でした。
それはね、そこのとこだけは覚えてる。
覚えてますか?
うん、あのカミナリのパンツ、やだぁって言ってさ、仕事だからさ、はいはいって言って履いたけど、それは覚えてるよ。だけど、日舞もレオタードも覚えてない。
同じ回ですよ。
ホント、あらら、あたしそういう訳で、全部覚えてないんです。
06メジャーのシーン
で、『デンジマン』のヘドリアン女王よりちょっとコミカルな感じが出てたかなと思ったんですけど。
そうかそうか、じゃぁ、それで変えたんだね。
たしかに心臓も変わってるという設定もあるんですけど、女王っぽい感じも少し残りつつ、ちょっと三枚目な部分が出てきて・・・。
あのさ、今言うけどさ、以前は忙し過ぎて自分の番組もめったに観る事がなかったんだけど、ここ2〜3年ファンから貰ったビデオを時々観たけど、その中で『デンジマン』でさ、あたしの洋服を作るので、部下のミラーがさ、バストやウエストを測るシーンってあるじゃない?あの時演技でね、彼女(ミラー役・美川女史)にバチバチ言ったのよ。
そうなんですか。
そして、あたしのアドリヴ通りにやったらば可笑しかったから、「あぁやっぱり成功した」っと思ってね。もう吹いちゃったの(笑)。あんまり自分の演技では吹かないんだけど、久しぶりに観たから吹いちゃった。あれみんな息が合ってたね〜。
はい(笑)。
あれ最初ね、今バラすけど、ミラーがね、何か女っぽくあれ98cmだった?1mだった?忘れちゃったけど、丁寧にちゃんとこうやって、あたしのバストにメジャーを合わせてね、「えぇーと・・・」って変な間を取ってね、「98cm、1m」とか言った訳ね。「バスト・・・98、ウエスト・・・98」ってこういう演技だったの。でもあたしのバストをじっと観たままで、すごい時間がかかるのよ。
そうですね、今の感じだと。
それで、もう笑いがなくなる訳ね、これでね、別に笑いを取ろうと思った訳じゃないのよ、あたしね。で、ミラーにさ、「あなたね、なんかこう真剣にあなたがいつも測るように、こう丁寧にキュウジュウ・・・って何ミリの違いも出ないように見て、これは、ちょっとおかしい番組なんだから、普通にもうハイ、バスト98、ウエスト98、ヒップ98、そんな真剣にそこ見ないで!」って。じっくり測ってたら時間がかかっちゃう訳でしょ。でも機械的に「98、98、98」って言ってるから、あたしがムカーッてくる訳よ。あんまり98cmって演ると、あたしがこうなっちゃう訳。測ってる時にね、クネクネしてね、ムーッてなっちゃってね。それも面白く、あたしは役者だから、そういう風に98って演ったら、「キュ・ウ・ジュ・ウ・ハ・チ」って演技すればいいんだけど、そうするとイヤらしくなる訳よ。全体的に重くって、それよりもサッ、サッ、サッって言われて、なった方が可笑しいじゃない?
成功ですね。
それでもう時間もパンパンパンといって、「ムッ、ウゥー!」ってなった方が迫力が出てくる訳。これで「ウゥー」って演ったら、全部読みあがったとき、みんな観てる方が「ウッ!」ってなっちゃう訳。それ言ったの。そしたら「ハイわかりました」って言って、もう機械的に「98、98・・・」。そしたらヘドラー将軍が脇で聞いてて、ん、今出ようと思ったんだけど、なんか吹いちゃって、「そのタイミングでね、こういう次のセリフも考えろ」って言ったの。「自分のとこだけ丁寧にキュウジュウ・・・って測るな」って。
今度は『サンバルカン』だから、とにかくこう、ずっともう全くイメージが変わったから、もう心臓も変わったことだし、また違った女王を演らないと面白くないじゃない?!やっぱりヘドリアンって・・・。「ヘドリアンなんだけど同じだ」じゃ、ダメなんだよ。だから『サンバルカン』では、ちょっと軽い感じにしたかったの。あの変装が軽いでしょ?!
そうですね、前作よりたしかに。
オドロオドロしさから、ポーンと軽くなったじゃない?だから軽さを出したかったの。
そうですね、外にも出るようになりましたよね。
そう、だからボコボコ出ちゃった(笑)。
もう部下の話はやめとくね。せいぜいベーダー一族の話をするよ。もう『サンバルカン』になってくると、いろいろあったから、部下役の娘たちにうるさく言うのは、もうやめた(苦笑)。大変でした、やっぱり人数が多くなるとね。増えて大変でした。だからあたし疲れちゃったの。だからもう途中から来た(アマゾンキラー役の)賀川ゆき絵ちゃんにバトンタッチしたの。「彼女たち(ゼロガールズ)をヨロシク!」って(笑)。彼女とは今でも友達。連絡しあってる。
07バンドーラ一家
最後は『ジュウレンジャー』ですね。
『ジュウレンジャー』ね。
私は、このキャラクター結構好きなんです。可愛らしさもあって・・・
バンドーラはね、魔女で、もうそのへんになってくると、まず絵面からドンドン変えなきゃいけないから。自分の役はもちろんのこと、あのプリプリカンとかが好きだったの。あのデザインが。で、ブックバックとかトットパットとか、このね、『オズの魔法使い』みたいなその線で、あたしは気に入った訳。
あのファミリーは好きでした、私も。
でね、これをもっとね、うんと良くするためのアイデアも、もうその時にパーンと出てきたから。だからJACとも仲良しだったの。中に入っている子(スーツアクター)たち。みんなもう何ていうのか、JACはJACでこう演技指導するんだけど、内面的な動き、ちょっとしたこの角度、例えばあの寂しげな時でもこうアクションは、バチッと決まってJACはスゴイのね〜。バチッとやるけど、やっぱりこうしゃべってる時に、ちょっとのこの顔の角度っていうのは、もう微妙に何かあの可愛さとか、そういう時フッとこう鼻のあたりが可愛く見せる方法っていうのは、中に入ってる子に、「このくらい・・・」って、コソコソとアドバイスしてたの。
主役の方より人気が出て、セリフが減らされたっていうのを拝見したんですけど。
それはね、5話ぐらいまで「バンドーラが主役みたいでは大変」だと言うわけ、上の方でさ。それで、とにかく主役の人たちが入ってきた人(新人)ばかりだから、悪いけどみんな演技ができなかったでしょ?だからこっちがバーッと演っちゃって大騒ぎになって、で、とにかくあたしの出番を減らそう減らそうって、あたしがあまり演技しないようにって。そうすると5人が生きると錯覚した訳。違うの!もう5人いるんだから向こうは。ね?だからあたしがワーッて演ったぐらいで丁度いいと思って演ったんだけど、「どう見てもバンドーラの比重の方が重いし大きい」と。で、「5人を生かす為には、バンドーラの台詞をドンドンカットするに限る」と言うので、5話を過ぎたらバンバンカットされたの。それである時は、(台本1冊の中に)台詞が1行しかなかったの。
ホントですか?!
うん。バンバンカットしてきてね。その時あたし今度は、反対に意地になって、その1行を大事に笑わせて、怒ったり、喜怒哀楽を全部入れたの、その1行に。そしたら、もう何て言うの、撮影の人にウケちゃった訳。それで、もうみんな笑っちゃって。でも、あたしは真剣だよね、1行しかないから・・・。いかにいろんなものを出すか、その1行の中で、間をとったり何かして。それで、却ってしゃべらしちゃった方がいいよって、ある程度はね、あんまり1行でやっちゃうと、あたしがバンバン尚・・・。
印象的に・・・。
演り過ぎちゃうって(笑)。それでね、何か普通に戻したんだけど、それでもやっぱり台詞は少なかったね。

08呪文とメイク
私も主役の人より、やっぱりバンドーラファミリーの方が好きでした。
面白かったでしょ!?
子供が主役っていうのもあって、ファミリーっぽい感じになってましたよね。
それがこっちはね、狙いだったしね。
ちゃんと一味には夫婦もいましたしね。
そうそうそう!何かね、もうバッチリ組めると思ってね。で、あそこまでいくのに作者ともちょっとあったし・・・。ミュージカル風になるのもいろいろあって、あたしの意見が入っちゃったんだよね。まぁいろいろあったんです。もうあのへんになってくると、あたしももうね、面白くする為に、作者にまで言うのはイヤだったんだけど、あまりにもマンネリ化した物の考え方だから、あたしホントはね、あの半分で降りるつもりだったの。
そうなんですか!?
えぇ、ちょうどね半年になって、ある回の呪文を唱えるシーンで、あの「わたしの息子カイを」なんとか・・・って、よくやる手だったんだけど、「下から読んで、このように呪文を言って下さい」って、あたしいつもの様に、呪文のところは、「アテニィ〜〜パワ〜〜!・・・」とか、いろいろ考えてる訳。考えてて、撮影に入った時に、あの監督が何かね、「上の方でね、呪文ね、このように読んでくれ」って言うから、「『コ・ス・ム・ガ・ワ・ノ・シ・ト・イ・・・・』って何コレ?!」って言ったら、「それを反対から読むと『愛しの我が息子』という謎解きになって、最後それで、あっと驚くんだ」って。「ふざけないでよーっ、もうあたし降りる!」って。「お化粧落とすから。監督さん、あたし番組降りたからって言っておいて」って。「ちょっと待ってよ。困るよ、そんなこと!」って、それですぐに監督が「大変です、曽我さんがこの通り演れって言ったら、もうお化粧落として帰るって言ってる」って。そしたらすぐに、「ダメだよ、やっぱり言ったように演ってくれよ」って。「作者の意図はもう先が見えてるし、観てる人たちをガッカリさせたくないから、あたし真剣に演ってきたんです。こんなくだらないコントのために、演ってきたんじゃないんです。あたしの呪文は、あたしなりに考えてるんです。この言葉はアラブ語なりにいろいろな言葉があって、意味があるんです。こんなの最初たしかね、”オ・イ・ウ・ア・・・”なんて書いてあったの。何コレ?監督、これを読むの?」って訊いたら、「いやいや呪文だから、曽我さんやってくれ」って言うから、あたしが考えた通りにやった訳ね。「半年経ったらまた”オ・イ・ウ・ア・・・”何とかだなんて、できないよ、そんなの。”アー、ウー”なんて、もうホントに降りるつもりだから、見せかけで演ってるんじゃないよ!」って、あたしメイク落として「悪いけど今のうちだったら、パッと変わってもね、半年だから何か理由ついてね、変わっても大丈夫だよ」って言ってさ。「降りる!」って言ったら、作家の方にすぐ連絡が行って、で、「何故俺の書いたのが出来ない?」って(笑)。「出来ないよ〜」って言ったの。「じゃあ今まで何だったの?話によるとその呪文が謎解きで、もう最後は見え見えだから、そんなつまんないの、あたしは演ったつもりはない。あたしはもっと面白くしたくって、真剣に半年頑張ってきた。これで終わるんだったら、降りるんだったら早い方がいいでしょう。だから降ろさせて」って。そしたら、「ちょっと待ってくれって。電話するから」って。それで、「あぁ、わかった。今まで通り呪文をやって、お化粧なんて落とすなよな。今まで通り撮影やってよ」なんて言ってさ。「あぁ、わかったわよ。“思い通りに”って言われれば、降りるなんて言わないわよ!」って。それで演った訳よ。で、次の回かな、作者がよっぽどプライドを傷つけられたんだろうね。あたしは真剣だからさ、「そんな書き方だったら演らない」って言ったら、その言い方がよっぽど頭にきたらしくて、作者(脚本家)が現場へ観にきたのよ、隠れて(笑)。で、隠れて観てるの、あたしの演技を。それであたし、「あぁ、あんなところに隠れて観てるな」って分かったから、「こういうシーンをミュージカルで演ったら面白いよね」って言ってたら、それでバンドーラの歌が出た訳(笑)。
ホントにあの、楽しい感じが好きだったです。
「面白かったでしょ。歌が。最後なんか、歌うたいながらさ、宇宙に開放されてもさ、ハハハハ・・・(笑)。

09続きのある最終回
最終回がまたスゴイ印象的で、だけど良かったです、みんな死なずに。
やっぱり「ドカンとか、バカッとか、もうワンパターンやめて!」って言ったの。それで、ザクとか、もう決まってるじゃない。あたしね、「終わりが見えるようなことはね、もうやめてくれ」って言ったのよ。「どうなるんだろう?と思うから、視聴者のみんなは観るのよ」って。基本を言ったのよ、作者に。そしたら、よっぽど頭にきて、あのあたしの話を聞きに来たんだよね。そしたら、バンドーラの歌を考えて(笑)、そしたら気に入っちゃって、それから何回も続きであるんだよね(笑)。
最終回も、封じられてるんだけど、スゴイ楽しそうに終わってて。
もう絶対ね、もう最後は楽しんじゃおうって。もうあたし自身が、スゴイ楽しんじゃったの(笑)。
そうですよね。最後の捨て台詞もスゴイ可愛かったですよね、バンドーラのは。
だからね、やっぱりね、アメリカのプロデューサーが(『パワーレンジャー』の魔女リタとして)欲しがったのが分かるよ。
また(地球へ)戻ってきそうな感じですよね。
だからあれは続くっていう感じで。
また戻ってきても不思議はない感じですよね。
不思議はないって感じで(笑)。
また誰かが封印を解けば・・・。
終わりがスゴク楽しくって、続きがありそうなのは、だいたいあたしのアイデアです。
じゃぁあれもそうだったんですね。他にはないですもんね。
他はやっぱり書いた通りに一応演っとくという。
そうですよね、最初の方は、やられてるというか、ヘドリアン女王は生きてますけど、部下は死んじゃったりしてますもんね。
だからね『ジュウレンジャー』では、ちゃんとね、続くようにしちゃってるんですよ。
たしかにあれは続きそうなラストで。
「楽しくまた地球へ戻ってきちゃうぞ〜!」って(笑)。
好きなラストの1つです。
「覚えてろ!」なんて、捨て台詞って言ってさ(笑)。
可愛かったです。あの台詞も!
「ベー!」ってやってね。あれはね、つけ足しちゃったんだよね(笑)。
だけど、バンドーラなんでOKです(笑)。
